九州北部 お得きっぷ鉄道旅②-②
博多から特急かもめに乗って長崎駅に到着しました。
長崎市電は7〜8分に一本の列車がきますので、それぞれの行き先の列車に乗れば2〜3時間でコンプリートできるはずです。一日券を使って自由に回ると良いです。
前回の続きです。
長崎本線 駅メモ九州攻略 長崎鉄道旅 - 関西発 駅メモ攻略 全駅制覇で日本周遊を目指してます。
今回の駅メモは長崎駅で終了。この後は長崎の路面電車を取得しながら長崎市内を観光します。長崎市内は観光名所が多いので、昼前から翌日夕方までの時間を確保しておきたいものです。
長崎旅行 鉄道旅
駅メモを始める随分昔のスマホもない時代、その当時は急行ムーンライトという夜行列車が走っていて、青春18きっぷで九州まで格安に移動できる時代でした。
今はもう走っていませんが、ムーンライト九州は大阪〜博多まで深夜の間に10時間近くかけて移動します。
※鉄道画像工房より引用
そんな長距離を移動する夜行列車の中には、色々な人が乗っています。
家族で実家に帰省する人、遠距離の恋人に会いに行く人、大きなカメラをぶら下げた鉄道好きの人、安上がりに移動する人。
多くの人の思いを乗せて、急行ムーンライトは走っていました。
当時の筆者は、研修で仲良くなった長崎の人に会いに行きます。
今となっては、お互いに夏休みを合わせてよく長崎まで行ったものだと思いますが、長崎は筆者にとって、若かりし頃の一日を過ごした懐かしい場所です。
今回の一人旅は、昔に見た景色を思い出しながら、長崎市内をブラブラ散歩します。
長崎駅周辺 長崎新幹線
長崎駅は西九州新幹線の開業に向けて、新しい高架駅に移行するため工事中。駅前までの長い道のりは噂通り。
以前の長崎駅にあった黄色い龍の模型はどこへやら。あの駅の模型が長崎らしい特徴でしたが、昔の駅舎は見る影もありません。
長崎駅は近い将来、大きな広場と商業施設ができる予定だそうな。かつての九州の終着駅だった長崎駅が陸の玄関口に変わります。
路面電車のレール軌道も昔に来た時と若干変わっている気がします。昔はこの辺りにハイカラな建物とトンネルがありました。
駅前開発によって街が便利になる反面、昔に見た景色が失くなってしまい残念なような寂しいような…………。
昔からある長崎市内を走る路面電車は、長崎市民の移動手段。車内では一日券を買うことができないので、長崎駅にある営業所で乗車前に購入しておきましょう。
以前に来た時に、この路面電車はどこまで乗っても運賃が100円なのが長崎の良い所と教えてもらいましたが、今は140円になっています。乗る都度両替が必要で、財布の中が小銭でパンパン。もういっそのこと150円にしてくれないか、とすら思いました。
長崎市電
路面電車の停留所には、色々な行き先の電車が代わる代わるやってきます。とりあえず来た列車に乗って西浜町へ。
西浜町にあるアーケード商店街は関西の戎橋筋商店街のような長崎の繁華街。商店街散策は後にして、川沿いをブラブラ散歩。
日本、オランダ、中国の異文化の建物が一つの街に並ぶ風景は長崎ならではです。
観光雑誌に乗っている眼鏡橋。水面に写る橋と合わせると眼鏡に見えるのだそうな。
眼鏡橋よりも、中島川の区画おきに作られているアーチ型の石橋の方が珍しく見甲斐がある気がします。
澄んだ川の畔を歩くだけでも気持ちが良さそう。確かこの辺に、ハートストーンというパワースポットがあるとのことです。
路面電車で回れる部分ですが、あえて下車して川沿いを歩くのも良いと思います。
西浜町からしばらく歩いて市民会館に到着。
長崎は公園や広場が多くて、とても住みやすい街のように思います。綺麗な山に海に川と自然が溢れ、散歩するだけでも楽しい街です。
この後は崇福寺で折り返して、グラバー園のある石橋方面に向かいます。
大浦天主堂 グラバー坂
石橋行きの列車に乗って、グラバー邸のある大浦天主堂に到着しました。
駅前の宮殿のような四海樓の建物は昔と変わっていません。長崎の老舗の四海樓は冷凍ちゃんぽんがニチレイから販売される程の有名なお店です。観光バスの団体客がこぞって、階段を登っていきます。
四海樓近くのグラバー坂を登りきれば大浦天主堂が見えてきます。かつて来た時は、こんな綺麗に舗装されていたかな………。それなりに傾斜のある坂道ですが頑張って。
観光バスから来た高齢の方でも意気揚々と登っています。
グラバー坂で販売されている流行りのカステラアイスは、絶対美味しいはず。ちょっと溶け始めが食べ頃なのだとか。
グラバー邸には以前に来たので今回は入口まで。入口からでも海を眺めれば綺麗な景色が見えます。
グラバー邸宅内にもハートの形をした石があります。ここでも見つけると良いことがあるそうな。確かテラスっぽい所にあったような気がします。
グラバー邸の詳細は他のサイトで見てもらうとして、ここから歩いて出島方面に戻ります。
あの路面電車の駅間は短く、3駅4駅先の出島や中華街まで、さほど距離はありません。お茶を片手にブラブラ散歩。前のメディカルセンターを越えて……こんな道だったかな…。
元の道がどうだったのか、変化した街並みに気を配りながら中心地に歩いて行きます。宙に浮いた路面電車の駅は昔と変わらない気がします。
手前の道路は戸建てが並ぶ道でしたが今ではマンションが並んでいて、昔とは街の景色がすっかり変わりました。道には昔の面影が何かしら残っている気がします。
?本当にこの道だったかな?
観光マップにも乗っている有名なオランダ坂は歩きや自転車では一苦労。原付でも登るのが苦しい坂道です。バイクや車が通るたびに常にフルスロットルのエンジン音が聞こえてきます。坂道を行ったり来たりする長崎の人はみんな体力がありそうです。
オランダ坂以外にも長崎の山の方に行くと坂道や階段が多く、迷路のように入り組んでいてまるで要塞のよう。
これぐらいの坂道は初級レベルなので、くじけないように。
当時遊んだ同期の方は、この坂の上にある学校の卒業生らしく、学校内にある大聖堂に一緒に入らせてもらうことができました。
大聖堂に座っているだけで心が洗われるとのことでしたが、厳格な雰囲気の大聖堂で二人きり。心が洗われるどころか、逆にドキドキと。
今はもう学校には入れなくなっています。というより、昔も本当に入って良かったのだろうか………。
あと少し先に進めば、日本三大中華街の入口の牌楼という中華街の門が見えてきます。昼時をすぎているので、有名な中華街も人通りはまばらです。
あの赤い門を潜れば、長年続く有名な中華料理屋さんが並び、看板を見ると食後でも小腹が空いてきます。
とりあえず食べ歩きです。中でも、ハトシロウルと言う揚げたお菓子がクセになる味。
長崎の中華街は300メートル四方の区画でコンパクトに収まっています。訪れた人の多くが、思ってたより短いというのが率直な感想かと思います。
ただ中華街に並んでいる店は長年続く名店ばかり。交差点にある天津の店は土日ともなれば大行列なのだそうな。
小籠包はとても熱いので落とさないように。
長崎の中華街の一角だけが、別の空間になっていて、門をくぐるだけで違う世界にトリップしたような気になります。将棋やオセロをしている人がいる公園はまるで中国のよう。
グラバー園付近もそうですが、長崎市内を歩くだけで所々に異文化を感じることができるはずです。
浜町商店街 出島周辺
中華街を抜けた少し先にある西浜アーケード。長崎市内の一番の繁華街で、大阪でいう戎橋筋商店街のようです。
観光に疲れたならばここで一休憩を。
関西でも見かけるようなコーヒーチェーン店なんかもありますので、ご安心を。長崎の喫茶店では、ミルクセーキやレモネードがオススメなのだそうな。
長崎の人に
「おやつに食べているのはカステラばかりでしょ?」
なんて言おうものなら、軽くキレられます。
とはいえ、やっぱりカステラは長崎で一番のオススメのようです。長崎には文明堂やら色々なカステラ専門店がありますが、
「どれも変わらないんじゃないの?」
なんて長崎の人に言おうものなら、これも軽くキレられます。
当時の長崎の方が言うには、
「カステラといえばやっぱり福砂屋でしょ」
と、底の粗目砂糖が良い食感の福砂屋が一番とのことでした。今は百貨店を探せば関西にもあるかもしれません。
ここまで長崎を歩きましたが、牛丼屋やハンバーガーのような全国チェーン店をあまり見かけません。店の多くが、チャンポンや皿うどんの店ばかり。実際に歩いてみると長崎の飲食業の発達は独特な気がします。
長崎の人にこの感想を、
「鎖国してるみたいだね」
なんて言うと、全力でキレられます。
長崎の商店街を抜けると、最初に通り過ぎた西浜町に抜けます。商店街の入口に当たる銕橋(クロガネバシ)は多くの人が行き交っています。
出島に向けてもうひと歩き。銕橋近くの小野原商店は長崎名産品のカラスミを扱う地元民オススメの老舗だそうな。
日本三大珍味の一つのカラスミは、少し炙ってお酒のアテに食べるのも良し、パスタやご飯に振掛けるのも良し。
ソボロや粗目状のカラスミが使い勝手が良くてオススメです。贈答用の木箱に入っているものでなければ、値段もそんなにしないのでお土産にはピッタリ。
今は長崎チャンポンではなく、長崎ラーメンも有名です。長崎でよく使われるアゴ出汁は素でも充分な味わいで、あっさりとスープに適します。鰹出汁の素に比べて高めですが、なんとも言えぬ旨さです。麺類を食べるなら思案橋周辺が歓楽街になっているので、夜に行って〆に食べると良いです。5分程歩いて出島に到着しました。
出島は海に突出しているわけではなく、島はすでに陸の一部になっています。
こちらも以前に連れて行ってもらいましたので入口だけ。
令和の時代の街の真ん中で江戸時代の生活が垣間見える施設も面白いと思います。長崎は山の緑や水辺の自然だけでなく、日本の歴史を感じられるとても綺麗な町です。
駅メモ 長崎路面電車
駅メモも忘れてはいけません。諫早から長崎にくるまでに取得できなかった路面電車北端の赤迫駅周辺を取得しにいきます。
長崎空港や九州他都市に向かう高速バスは長崎駅の南側の出島道路を通るので、西浦上駅から北端の赤迫駅周辺を通りません。
赤迫方面へは、JR各停列車の本数が少ないので、時間が合わなければ路面電車を使用しましょう。
浦上駅周辺は、野球場やらサッカーグラウンドに大きな広場やら随分と都市開発が進んでいます。実は昔もあったのかな…………。
新幹線ができたことで、隣駅の浦上も高架化されて綺麗になりました。
昔、待ち合わせた場所の浦上駅は、車が乗り入れる程度のロータリーがあるぐらいで周りにはほとんど建物すらありませんでした。今では駅が高架化されて、すっかり立派な駅前に変っています。
駅の周りで唯一、この立体駐車場だけが昔見たまま。年月が過ぎて街並みが変わったとしても、周りを見渡してみれば、昔と変わらない場所は必ずどこかに残っています。
浦上駅近くの平和公園の資料館に行く予定でしたが、時間が遅くなり閉館していました。資料館の出口に展示された龍の神輿に興奮したものですが、今でもまだあるのかな。
長崎といえば絶対に外せないのが稲佐山から見える日本三大夜景。日が暮れるまで時間がありますので長崎駅で夜ご飯。
長崎中華街の名店の蘇州林のちゃんぽんは、とんこつ出汁の効いたあっさりしたスープと炒めた野菜の香ばしい匂い合わさりとても美味い。
関西で食べるものと野菜の香ばしさが違うのか、この絶妙な味の違いが旅先の楽しみの一つです。
長崎夜景 稲佐山
稲佐山展望台は長崎駅から長崎の市バスの3系統か4系統に乗ればどの行き先でもロープウェイ前を通ります。
バスは20分に一本ぐらい。ロープウェイ前で下車します。最寄りの宝町駅まで歩くと距離がありますので、登る前に帰りのバスの時間の確認を。2022年の長崎駅前行きのバスの時刻表はこんな感じです。
夜景を見に向かう旅行者もチラホラと。急な坂道で若干汗ばむ感じは昔と同じ。
昔のロープウェイは四人がけの小さなゴンドラで相手との距離が近くドキドキしたものです。今はそのロープウェイも広くなり、頂上までのスピードも格段に早くなりました。
新型の方が便利なのでしょうが、その速さや広さは逆に勿体ないような気がします。
さらに昔とはロープウェイの軌道も変わっていて、中腹地点での乗り換えが必要なくなりました。今では第二ロープウェイも駐車場から頂上へのスロープカーに変わっています。
ここは昔もあったような、なかったような。
昔に来た時には鉄塔が夜景スポットの裏側にあったはずです。思えばあんな展望台ような建物はなかったな。
長崎の夜景は上海やモナコに並ぶ世界三大夜景のは一つに認定されたそうな。そんな世界に並ぶ夜景に周りのカップル達は夜景にウットリ。確かに、稲佐山の夜景は美しくいつまでも見ていられます。
昔に見た長崎夜景は光の部分と暗い部分のバランスがとても美しく感動しました。今は街並みが変わったことで当然に光輝く部分が増えています。
一人で見る夜景は、かつての雰囲気を残しながらも、当時に二人で見た稲佐山の夜景とは、どことなく違う景色に見えました。
ここで夜景を一緒に見た人とは、きっとこの先も出会うことはなくて、仮に偶然にすれ違ったとしてもお互いに分からないように思います。
もっと言えば、自分自身もその日のことをぼんやりと覚えているぐらいで、普段の生活でも何かの拍子に思い出すぐらい。相手の方がその日のことを覚えているかどうかもわかりません。
何年も過ぎた思い出の場所に来てみると、楽しかったあの頃の記憶が蘇えります。それと同時に風景が変わったように、昔とは変わってしまっている自分を感じて、少し切なくなります。
きっと今いるカップル達も、改めて稲佐山に訪れた時には、この日のことを思い出して感慨深くなるのでしょう。長崎の夜景にはそんな魅力がありました。
暫く夜景を見ながら物思いにフケっていると時間が過ぎるのもアッと言う間です。帰りの最終バスに間に合うように稲佐山を折り返します。ここまでで長崎を一通り回ることができました。この後は長崎駅近くで一泊して、翌朝、長崎空港から関西に戻ります。
今回の九州遠征はこれにて終了。
※次の鉄道旅
青春18切符新潟大回り 日本海鉄道旅 - 関西発 駅メモ攻略 全駅制覇で日本周遊を目指してます。
♯147
関西でもこの何年かでタワーマンションが立ち並び、街の景色はすっかり様変わりしました。普段何気なく過ごしてる街並みの移り変わりになんて気がつくことができず、気づいた時には風景は既に変わっています。今となっては以前の風景を思い出すこともできません。日々の生活で記憶が変わりゆく中、普段訪れない旅先にこそ、その当時の思い出や風景が頭の中に残っています。
ただ、どんな場所でも年月と共に風景も変わってしまうので、その時の景色や思い出は結局は自分の中にしか残っていません。
年月が過ぎて、どれだけ街並みが変わったとしても、そのどこかには昔と変わらない部分が必ずあります。それを見つけた時に、当時の記憶が蘇り、寂しいながらも心地良い気分に浸らせてくれるはずです。
そんな思い出の場所を作るきっかけになるのも、思い出を感じるのも旅ならでは。
長崎の独特な文化や街並みは一度訪れるだけでも記憶に残るとても良い街です。
どこかに行きたいな。
なんて時には、
是非とも西九州新幹線で長崎へ。
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